ハガイ書
預言者ハガイは、エズラ記(5:1,6:14)にも登場します。ペルシャの王クロスの帰還命令によりバビロンから帰還した民は(前539年)、国の再建、神殿再建に取り組みます。しかし、妨害により頓挫し(ハガイ書1-4章)、時間ばかりが過ぎました(前520年)。人々の再建への情熱は薄れ、自分のことだけに精一杯となる中、ハガイは神殿再建のために、民を励まします。ハガイ書は、四回に渡る神のメッセージが日付順で記録されます。第一に「歩みをよく考えよ」と反省を促されます(1章)。第二に希望を失う民を力強く励まします(2:1-9)、第三に、今度は「後のことをよく考えよ」と語りかけます(2:10-19)、そして第四に、神こそ統治者であり、その主が選ばれた者について宣言します(2:20-23)。ハガイ書は、私たちに、何を第一として生きるか。優先順位について問いかけます(マタイ6:33)。先の事、後の事を考えるようにと促します(1:5,7、2:15,18)。
ハガイ書 1章
ペルシャのクロス王の勅令(前538年)を受け、エルサレムに帰還した民は、度重なる妨害で、神殿再建への情熱を失い、ダレイオス王の第二年(前520年)には「主の宮を立てる時はまだ来ていない」と言うようになっていました(1-2)。預言者ハガイを通して、主は、主の宮が荒れ果てているのに、自分たちだけが良い家に住む時なのか。あなたがたが神の祝福を失っているのはなぜか。「あなたがたの歩みをよく考えよ」と問われます。そして、まず主の宮を立てるなら、主が栄光を現わすと約束されます(3-11)。指導者ゼルバベル、大祭司ヨシュア、民は皆、主の御声に、ハガイのことばに聞き従い、主の前で恐れました。主は「わたしは、あなたがたとともにいる」と約束され、主が指導者たち、そして民の心を奮い立たせてくださいました。そして、およそ三週間半で、彼らは主の宮の再建を再開しました(12-15)。主は私たちにも今問われます。「あなたがたの歩みをよく考えよ」と。
ハガイ書 2章
神殿再建再開後、主のことばが語られます。かつてのソロモンの神殿を知っている者たちにとって、今回の神殿はあまりにみすぼらしく、意気消沈していましたが、彼らを励まします。強くあれ、主がともにおられる。主が栄光を満たし、後の栄光は先のものにまさります。なぜならそこに平和の主イエスが来られるからです(1-9)。再び、主のことばが語られます。民も、この国も、主の前に汚れている。豊かな祝福を失っていたのはなぜか。「後の事をよく考え」今、何をすべきかを問われます(10-19)。再び、主のことばが語られます。主は、時の指導者として立てられたダビデの子孫ゼルバベルを強め、彼を印章、確かなしるしとすると語られます。これは、私たちにとって、さらに真の王として来られるイエス様に向かう事(ゼカリヤ書へ)を覚えます(20-23)。後の事を考えよう。主は確かに来られ、そして再び、完成のためにもう一度、この地に来られるお方です。